勤務先の業績が悪化し、解雇されたり給料が減らされたりするケースが増えています。その結果これまでと同じ水準の生活費をまかなえなくなり、住宅ローンなどの返済に影響を及ぼすことも。既存の負債に影響があるだけでなく、新たに借金を始める人もいます。
給料減で生活が困窮しそうな場合、どのような対策を講じれば良いでしょうか?

勤務先の業績悪化に伴う収入減少3つのケース

解雇・雇止め

勤務先の業績悪化に伴い、収入が減少する事例は、いくつかのパターンに分類されます。

一つ目は、解雇・雇止め。職を失うことで、収入が完全に途絶えてしまいます。雇止めとは、派遣社員・契約社員などの有期雇用契約において、契約を更新せずに終了させることを言います。
正社員の解雇と雇止めでは、解雇の方により厳しい法律上の制限が設けられています。労働法が定める条件を満たしている限られた場合を除き、会社はむやみやたらに正社員を解雇することができません。

そのため、しわ寄せは派遣社員・契約社員に行くことが多いと言われています。たとえば、感染したために一定期間仕事ができなくなった契約社員が、突然雇止めに合ってしまったケースも。同じような業務内容をしていても、立場の弱い派遣社員・契約社員から真っ先に切られていくという現状があります。

休業・欠勤の発生

二つ目は、休業・欠勤の発生です。業種によっては、自治体から休業要請が出されています。また業績が悪化した企業が、従業員の解雇を避けるために、まず営業日を減らすなどの対策を独自に取ることもあります。解雇・雇い止めとは異なり完全に収入が途絶えるわけではないものの、今までもらえていた給料が休業日分ごっそり減ると、家計を圧迫します。

勤務日が減少するだけでなく、自分自身や家族が感染し、一定期間仕事を休まざるをえなくなることも考えられます。子どもの保育園や学校でクラスターが発生し、預かってくれる祖父母などもいない場合も、同様です。

残業代の減少

三つ目は、残業代の減少です。テレワークや残業時間の見直しなど、社内制度のレベルで働き方改革を進めた企業も少なくありません。長時間労働が社会問題として取り上げられてきたことを考えると、残業が減少すること自体は、必ずしもネガティブなこととは言えないでしょう。
とはいえ、いままで残業代を収入のあてにしていた人にとっては、一大事です。時代の潮流という側面もあるため、残業代ありきの家計は見直すことが大事かもしれません。

また実質的な労働時間は変わらないにもかかわらず、テレワークが導入されて以降、残業が認めてもらえなくなったケースもあります。実質的な労働時間と、会社が認めている労働時間との間にズレがある場合、客観的状況から“黙示の残業命令”があったとみなされれば違法となることもあります。

収入減少で顕在化する借金のリスク

以前の給料であればなんの問題なく生活できていた人でも、多くの方が減収にともなう生活費の不足に苦しんでいます。その生活苦は、借金やローンを抱え、毎月の給料で返済を続けてきた人なら、なおさらのことです。

車、住宅ローンなど高額ローンの支払いが家計の重荷に

特に、自動車ローンや住宅ローンなど高額ローンの返済計画の見直しが必要になるケースが急増しています。
住宅ローンの支払いが難しくなった人の中には、専門家や金融機関と相談して返済猶予を受けた人もいれば、任意売却などにより住宅を手放した人もいます。任意売却とは、住宅ローンが支払えなくなった場合に金融機関と交渉して、住宅を売却する手続きです。裁判所における競売とは異なり強制的な手続きではなく、一般的に競売よりも良い条件で売却できます。ローン残債は分割で返済できることも、任意売却のメリットのひとつと言われています。

経済状況の改善も見通せず、先行きの見えない不安感

収入減少の影響により住宅ローンの返済に窮し、金融機関から返済猶予などの救済を受けた人は5万人を超え、東日本大震災の際の5倍とも報じられています。
今後の経済状況改善がなかなか見通せない状況で、救済を受ける人の数は上記の数字よりもさらに増加していくことが考えられます。思い入れの深いマイカー・マイホームを手放すしかないのか悩みながら、先行きの見えない不安の中で息苦しい生活を強いられている人は大勢いるはずです。

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減少した生活費をカバーするには

生活福祉資金貸付制度

収入減をカバーする手段として多くの方が利用しているのが、生活資金を無利子で借りることができる『生活福祉資金貸付制度』です。

置かれている状況によって、
・緊急小口資金……最大20万円までの一時的な貸付金
・総合支援資金……3ヶ月間、月最大15~20万円までの貸付金
の2種類から選択することができます。

無利子の借金ですので原則は返済義務が生じますが、所得の減少が継続して住民税が非課税となった場合には、返済が免除されます。最寄りの社会福祉協議会に直接相談するだけでなく、郵送での申込みも可能です。
ただしこのような貸付制度については、「経済的に困窮している人に借金を負わせているので根本的解決にならない」といった批判の声も出ています。

副業

上記のような貸付・減免制度を利用するのと並行して、副業を始めるのも選択肢の一つです。たとえ少額でも収入を増やすことができれば、家計の負担が軽減されるでしょう。
収入減少の影響で副業を始める人は急増していますが、その仕事内容はwebライター・動画編集・プログラマーなどパソコンを活用した在宅ワークから、このご時世で需要が急増したデリバリー配達員などさまざまです。外出自粛による在宅時間を活用して、副業のためのスキルアップを始める人も増えています。

債務整理

すでにかなりの額の借金が膨らんでしまった場合には、弁護士に債務整理を依頼することも検討すべきかもしれません。債務整理の代表的な手段は、弁護士が債権者と交渉してくれる任意整理です。任意整理を行えば、無理のない条件での返済計画を承諾してもらえる可能性があります。

弁護士に任意整理を依頼すると、債権者からの直接の取り立てが法律上禁止されます。その後は、弁護士が債権者と返済の条件について交渉を行ってくれます。任意整理について合意が得られた場合、平均的な返済計画の期間は3~5年間。あくまでも“任意”なので債権者次第ではありますが、経過利息・将来利息のカットに応じてもらえるケースも多いです。
任意整理が難しい場合には、債務整理の最終的手段として自己破産も検討することになるかもしれません。

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まとめ

収入が減少してしまった場合でも、さまざまな支援制度が用意されています。先行き不透明な状況下において、支援制度を活用しながら副業を始めることで急な収入減をカバーするのは有効な手段だといえるでしょう。

病気と同様に、法律トラブルも悪化する前の早めの段階で弁護士に相談することが大切です。「債務整理弁護士相談広場」では都道府県からお近くの債務整理に強い弁護士・司法書士を探すことができます。
借金のお悩みで困った時はひとりで抱え込まず、お早めに弁護士・司法書士までご相談ください。

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