カジノ使い込み疑惑 「言葉巧みにだまされた」資金提供者が証言

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刑事告発した男性は悔しさをにじませた=大阪市北区で2021年5月15日、望月亮一撮影
刑事告発した男性は悔しさをにじませた=大阪市北区で2021年5月15日、望月亮一撮影

 「まさか自分が貸した金でバカラ賭博をされるとは。言葉巧みにだまされた」。ジャンケット業者「ナインアンドピクチャーズ」(大阪市)の前社長(52)の横領疑惑を大阪地検特捜部に告発した男性がこう訴えた。「3年後に上場するから」とカジノ事業への出資を持ちかけられ、貸付金などとして3億5000万円を提供した男性。度重なる返済要求に応じずに自己破産を申し立てた前社長に対し、「絶対許せない」と憤った。

 前社長から声を掛けられたのは、大阪の繁華街「北新地」の高級クラブ。2014年6月ごろ、共通の知人を通じて、男性は「上場すれば株を半分持ってほしい」と出資するよう誘われたが、中国・マカオの有名カジノホテルなどと契約するために億単位の保証金や運転資金が必要だと求められた。

 男性はもともとナ社の顧客だったこともあり、カジノ事業についてはある程度分かっていたつもりだった。「これはもうかるだろう」と思って誘いに乗り、同年7~9月に4回に分けて計3億5000万円を貸し付けるなどした。

 ナ社は同11月、この資金を原資として、現地法人を通じてマカオのカジノホテルに約1億5000万円(1000万香港ドル)を保証金として預け入れ、事業は拡大すると思われた。しかし、前社長はその約2カ月後の年末年始にカジノを訪れ、早々に保証金の3分の1に当たる計300万香港ドル(当時4700万円)をバカラ賭博に投じた疑いがある。

「資金繰りが危ないのでは…」

 カジノに詳しい関係者によると、保証金はジャンケット業者の信用を担…

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