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ある調査によれば、30代~40代の「貯金がある人」の割合が30%にも満たないというデータがあると聞く。仕事でもそれなりポジションにつき、収入も安定してくる世代、のはずだが、現実はそう甘くないらしい。

そこで今回は、40代男性の懐事情を知る一端として、借金をした経験があるか調査してみた。


4割弱の人が借金の経験あり

目的は? どこから借りてる? 人には言えない、40代男性の借...の画像はこちら >>

Q. あなたは借金をしたことがありますか?(ショッピングローン、住宅ローン、自動車ローン、教育ローン、奨学金などは除く)
・したことがある 38.5%
・したことがない 61.5%

40代男性で借金をしたことがあると答えた人は、およそ40%という結果に。では、借金をしたことがあると答えた人は、実際どこから借りているのか。次の回答を見ていこう。

Q. どこから借金をしましたか?(※複数選択式のため回答比率で表記)

・銀行系カードローン 48.6%
・クレジットカードキャッシング 40.3%
・親 30.6%
・家族(妻や子) 23.6%
・消費者金融 22.2%
・友人・知人 6.9%
・親戚 5.6%
・答えたくない 5.6%
・その他 5.6%
・兄弟 4.2%

借入先として回答が多かったのは、銀行系カードローンやクレジットカードローン。とくに銀行系カードローンは、「借金をしたことがある」と回答した人のうち、半数近くが利用した経験がある、という結果に。

親や家族など、血縁関係の近い家族よりも手軽に借りられると感じるのは、「お金を貸して欲しい」と、借りる前に相談や頼み事などをする必要がないからだろうし、「借金をする」ことに対する後ろめたさも見え隠れする。

現に、友人・知人以降の回答率がガクッと下がっていることからも、「人様に迷惑はかけられない」、「借金をするなんて恥ずかしい」といった“気まずさ”が背景にあるのだろう。

では次に、どういった理由や目的があって借金をするのか。具体的な回答をピックアップし、カテゴリー分けしてみた。


特別な理由はない。だからこそ、誰にでも起こり得る

目的は? どこから借りてる? 人には言えない、40代男性の借金事情

Q. 借金をした目的・理由を教えてください。

【想定外の借金】
・「急な出費が続き、生活費が足りなかった」(46歳・会社員)
・「急な泊まりの出張」(48歳・会社員)
・「急な冠婚葬祭があったから」(44歳・会社員)
・「子供の学校関係でまとまった支払いがあったので」(49歳・会社員)

【仕事のための借金】
・「開業資金」(48歳・自営業)
・「仕事の資金繰り」(48歳・自営業)
・「仕事による過労で一時的に仕事が出来なくなっていたときに家族の生活費として」(43歳・会社員)

【借金のための借金】
・「借金の返済のため」(47歳・公務員)
・「税金やローンの支払い」(43歳・会社員)

【その他】
・「生活を回そうとして見栄をはった」(46歳・会社員)
・「ギャンブル」(47歳・会社員)

1つ目は、日常生活における急な出費が発生したとき。

突然結婚式に呼ばれたり、泊まりの出張が続いたりして手持ちがなくなることはよくある話。そういった想定外の出費が続いて、「今月は生活費が厳しい」という事態になり、借金をするに至るケースは多いようだ。

2つ目は、仕事関係の借金。とくに自営業の人に多かったのが、資金繰りや開業、事業拡大のために借金をしたことがある、という回答。また、仕事のし過ぎが原因で働けなくなり、その間に家族を養うために借金をした、という回答も。今の時代を象徴する事例のひとつだろう。

3つ目は、借金を返すための借金。今回、ショッピングローン、住宅ローン、自動車ローン、教育ローン、奨学金などを除く借金、という前提でアンケートをとったが、これらを返すために借金をする人も少なくないことがわかった。計画的な家計運用の大切さを、再確認させられる事例である。

年収が1000万円を超えていても貯蓄ができない家庭もあると聞く。上記の「生活を回そうとして見栄をはった」というコメントからもわかるとおり、一度慣れてしまった生活レベルは、なかなか下げられないのもわかる。

借金をすること。

収入を上げること。節約すること。手段としてどれが正しいとはいえないが、自分や家族にとって本当に必要なモノや大事にしたいコトなどを改めて見つめ直し、ライフスタイルを根本から改善していくことが、本当の意味で豊かな暮らしを手にするいちばんの近道なのかもしれない。

目的は? どこから借りてる? 人には言えない、40代男性の借金事情

ファストアスク=アンケート協力
対象:既婚子持ちの40代男性195人