2021.12.15
# 不動産

夫のうつ病で「4600万円のマイホーム」を手放し、自己破産…すべてを失った50代女性の悲劇

自分の両親から1000万円の贈与を受け郊外に5800万円のマイホームを建てた京子さん夫妻。まるで幸せを絵に書いたような生活が3年ほど続いたのち、なんと夫の浮気が発覚。専業主婦の京子さんは、修復を試みようと夫を説得しましたが、夫は家を出て行ってしまいました。

夫の離婚の決意は固く、京子さんも復縁はあきらめて新たな人生を進もうとした矢先にネックになったのが、まさに夫と建てた「マイホーム」だったのです…。

前編:「実家の援助で「5800万円のマイホーム」をたて「家庭が崩壊」した、夫と妻の大誤算」

なぜ浮気に走ったのか…?

京子さんにすれば、娘たちのためにも持ち家は失いたくない。けれど6分の5の持分はご主人にあり、しかもローン残高は借り入れ時からそれほど減っていません。

いろいろと思案した結果、結局京子さんのご両親が住んでいる家を売却し、その費用でご主人から持分を買い取って、京子さん親子と同居することに落ち着きました。こうすればご両親が子育てを日常的に手伝ってくれるため、京子さんも安心してこれから働きに出ることができます。

娘さんたちの生活環境も変えることなく、家を守ることができました。京子さんがひとりっ子だったことと、ご両親が思いきって決断してくれたからこその結果でした。

家の名義を義父に移す手続きで、私は初めてご主人とお会いしました。せっかく手に入れたはずのマイホームなのに、なぜ叶えた夢を壊してまで、浮気に走ってしまったのでしょうか。

Photo by iStockPhoto by iStock
 

「自分がホッとできる場所でなくなったんですよ」ご主人はぽつりとこぼします。

義父母や京子さんに気を遣って、自分の母親を家には呼べませんでした。そのためひとりで自分を育ててくれた母親に孫の成長を見てもらえる機会は、当然に激減します。娘たちもたまにしか会わない祖母に懐きませんでした。

一方で楽しそうに義父母といる妻と娘たち……。そんな姿を見るにつけ、自分の家なのに自分の居場所を見つけられなかったと言います。

ご主人は家を出てからというもの、浮気相手の女性の元に行くのではなく、養育費の支払いのためにひとりでワンルーム暮らしをしています。「家って何なんでしょうね…」そう最後に呟かれたのが、今でも忘れることができません。

関連記事